【短】恋色想い~おまじない
どんどん涙が溢れてくる。
そんな私の頭を、綾香は優しく撫でてくれた。
「朱香?」
「何…?」
「朱香は佐藤くんのことが大好きなんでしょ?」
「うん…」
「どうしようもないくらい好きなんでしょ?」
私はコクリと頷く。
そうだよ…私は誰よりも…何よりも佐藤くんが大好きだよ…
「あのね、朱香」
綾香は続けた。
「おまじないは、あくまでも…おまじないであって、効くとか効かないとかは別として、自分に自信を付けてくれるものなの。」
私は静かに綾香の言葉を受け入れる。
「朱香も、このおまじないで自信が付いたでしょ?両想いになれるんじゃないかって…」
「うん…」
「おまじないは、ただそれだけ。自分に自信を付けてくれるもの。…だから、今からでも…佐藤くんに気持ち伝えなよ…」
「う…ん…」
私は涙を拭った。