彼がメガネを外したら…。〜恋のはじまり〜
決着
とは言え、この岩城との出来事に、絵里花は少なからず凹んでしまった。これからいつまで、あの岩城の目を気にしながら、仕事をしなければならないのだろう。
こんなとき、いつもなら崇に連絡をして愚痴の一つでも聞いてもらっていたのに、もうそれもできなくなってしまった……。
そんなことを思いながら、スマホを確認してみると、なんと今日子からメールが届いていた。
『崇先輩の絵里花先輩への気持ちは、冷めてしまっています。だから、会社へ押しかけて来たりして、崇先輩を困らせるのはやめてください』
絵里花自身は今日子に何もしていないのに、この敵意がにじむメールを受け取って、絵里花の心にモヤモヤしたものが溜まっていく。
――……なによ。文句を言いたいのは、こっちの方じゃない……。
こんな気持ちの持って行き場を求めて、絵里花は苦しくなる。
そこで、思い出したのが、崇と絵里花の同級で同じゼミだった礼子だった。
思い切って電話をかけてみたら、ちょうど礼子も仕事が終わった時だったらしく、これから会うことになった。