彼がメガネを外したら…。〜恋のはじまり〜
「……絵里花?どうしてこんなところに……?」
会社から出てきた崇も、他の誰もと同じように、すぐに絵里花の存在に気づいた。
「どうしてって……」
なぜ絵里花が会いにきたのか、察しがつきそうなものなのに、驚いた顔を見せるものだから呆れてしまう。
すると、崇は一人ではなかった。手こそ繋いでいなかったけれど、そこには寄り添うように今日子の姿があった。
「……なんで、今日子ちゃんがここに?」
驚いてしまったのは、絵里花の方だった。
「二ヶ月前から、派遣で俺のいる部署に来てるんだよ」
それを聞いて、絵里花はすべてのことが繋がった気がした。絵里花の知らないところで、そんな偶然の再会があったとは。そう言えば、二ヶ月前くらいから、崇と会う回数が激減していた。
今日子は、絵里花と崇の同じゼミの後輩で、絵里花もよく知っている間柄だった。
チラリと絵里花の視線が向けられた今日子は、きまり悪そうな表情を浮かべだが、絵里花から視線は外さなかった。