愛されたい、だけなのに~先生、幸せって?~【3】






「…感動の再会のところ、申し訳ないんですが」


ゴホンと咳払いが聞こえ、慌てて柳先生から離れた。


咳払いをしたのは、校長先生。



「…校長」


柳先生が頭を下げた。


「柳先生…いや、柳さん。いなくなったと聞いて、心配していましたよ」

「すいません」

「まぁ、元気そうで良かった」


ぽんっと校長先生が、柳先生の肩に手を置いた。


「やりたいことは、見つけられましたか?」


「はい。やっていけるかはまだわかりませんが、頑張ってみたいと思います」


「そうですか。応援してますよ。…櫻井さん」

「!」


柳先生と校長先生のやりとりを黙って見ていると、話を振られた。





「あらためて、卒業おめでとう。もう、自由ですよ」


…自由?



校長先生の言葉に、首を傾ける。



え…どういう意味?




「そこの正門を出ればもう、ここの生徒ではなくなる。何も気にすることないんですよ」


ここの生徒ではなくなる?



何も気にすることない?


どういう意味??


頭の中は、??でいっぱい。




理解できずにいるとー…




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