愛されたい、だけなのに~先生、幸せって?~【3】
「…私、圭吾くんと出会えて良かった。これからも、よろしくお願いします」
名前の呼び方を変えただけでも、前に進めたように感じる。
「こちらこそ。これからは、もっとずっと、長い付き合いになるかもしれないからね」
「え?」
「結婚しようか」
「え!?」
「話が飛び過ぎたか。じゃあ、付き合おうか」
「え!?」
「…そっちも、そんな驚く?まぁ、帰る家は一緒だから。ゆっくりな」
結婚!?
付き合う!?
驚きのあまり、思わず繋いでいた手を離してしまった。
「帰るよ、櫻井。家に」
もう一度、手を差し出される。
付き合うとか結婚とか嬉しいんだけど、まだどうしていいかわからない。
けどー…
「…はい」
私は、この手を離してはいけない。
幸せになるために。
前に進むために。
私を導いてくれた大きな手。
これからもずっとー…
【完】
おまけに続くー…