愛されたい、だけなのに~先生、幸せって?~【3】
さっきの卒業式での人だかりを思い出す。
それ以上かもしれない。
「まだ専門学校に一年間通わなきゃいけないけど、その間の生活費もちゃんと避けてある。だから…」
「ダメよ!」
「は!?」
「ホストやるような息子に、マナちゃんは任せられないわ」
「もう辞めたって!」
「マナちゃんは、これから大学生になるの!キャンパスライフを満喫するの!あんたがいたら、視野が狭くなっちゃうじゃない」
「…」
その言葉に、圭吾くんは黙ってしまった。
さっきとは違う空気が流れる。
「…そうか…そうだよな。冷静に考えてみれば、そうだ」
圭吾くんが納得したように、囁く。
「母さんの言う通りだ。櫻井には、まだ未来がある。…ちょっと急ぎすぎたみたいだ」
…圭吾くん?
「母さん。櫻井が大学を卒業するまで、こっちで一緒に暮らしてもらっても…」
「もちろん、いいわよ」
「ありがとう」
え…
え…?
何で?
どうして?