愛されたい、だけなのに~先生、幸せって?~【3】
「…母親と暮らす?」
お母さんに電話をした夜、学校から帰ってきた柳先生にすぐ伝えた。
「はい」
「そうか…」
そう一言だけ言って、柳先生は黙ってしまった。
柳先生には唐突なことだろう。
遺書のことも、お姉さんのことも知らないから。
「お母さんから連絡きたのか?一緒に暮らそうって」
「いえ。私から言いました。そろそろ、母親の元に戻りたいと思って」
違う。本当はー…
「勇気出して連絡したら、一緒に暮らしてもいいって言ったんで…気が変わらないうちに、明後日には出ていきます」
「明後日?!」
柳先生が驚いた顔をした。
「…本当に急だな。何かあったのか?」
ドクン!
「いえ…何も…!」
柳先生の手が頬に触れ、顔を上に向かされる。
じっと目を見つめられる。
「…っ」
まるで、心の奥底を覗くようにー…