愛されたい、だけなのに~先生、幸せって?~【3】
ここで目を逸らしたら柳先生のことだ…きっと気付いてしまう。
「何もありません、ただ本当に…母親と暮らしたいと思ったんです」
真っ直ぐ柳先生の目を見て答えた。
ドクン。
ドクン。
お願い、心臓の音までは聞こえないでー…
「…そっか」
柳先生はふっと笑うと、頬に触れていた手を離した。
「お母さんが一緒に暮らしてくれるなら良かった。今まで一緒にいれなかった時間を取り戻せるといいな」
「…はい」
「学校は大丈夫なのか?」
「今まで通り、通います。少し遠くなりますけど」
「そうか。良かった。何か急すぎて驚いたけど、これでいいんだよな」
¨これでいいんだよな¨
「…はい」
そう、これでいい。
これが私の選んだ道。