愛されたい、だけなのに~先生、幸せって?~【3】
「もうマナちゃん、うちの娘になりなさいよ」
「…」
え!?
お姉さんの墓石に別れを告げ、駐車場に向かって3人で歩いている時に、お母さんが突然言い出した。
「…母さん、何を突然…」
呆れ顔の柳先生。
「あら、いいじゃない!生徒と教師で一緒に暮らしてるのが問題なら、結婚しちゃえばいいのよ」
結婚!?
「そしたら、私の娘にもなるし」
えぇ!?
お母さんの発言に驚いて、言葉が出ない。
「櫻井が困ってるだろ…冗談ばっかり言ってないで、帰りの電車の時間調べろよ」
ため息をつきながら、柳先生が言った。
あ…冗談か。
「…」
本気でとってしまった自分に、恥ずかしくなる。
「俺、トイレ行ってくる。櫻井、先に車行ってて」
「あ、はい」
柳先生から車の鍵を渡された。
「圭吾、逃げたわね」
「…」
お母さんの言葉に、何と反応していいかわからない。