愛されたい、だけなのに~先生、幸せって?~【3】
って…呆然としてる場合じゃない。
また、柳先生に迷惑かけてー…
「学生のうちは、学業が優先だからしっかり勉強すること。お金のことは、きちんと働けるようになってから考えればいいから」
「!」
「バイトに関しては、夜遅くなる時は俺が迎えに行くのが条件。続けるか、続けないかは櫻井が決めればいいよ」
向い合わせで座っている柳先生が、ふっと笑った。
優しい、優しい笑顔で。
ドキドキ…
また迷惑かけて…って思っていたが、今はさっきとは正反対の気持ち。
目の前にいる柳先生に、ドキドキしている。
「あ…」
何か言わないと…
けど、ドキドキし過ぎて言葉が浮かばない。
「…夜遅くなるようだったら、連絡して。迎え行くから」
柳先生が立ち上がり、食べ終えた食器をキッチンに持って行く。
「俺、昼間はちょっと用事あって出掛けてくるから。多分、夕方には帰ってくる」
そう言うと、柳先生はリビングから出て行った。
「…はぁー」
リビングのドアが閉まったと同時に出た、溜め息。