愛されたい、だけなのに~先生、幸せって?~【3】




校長室に入ると、校長先生以外には誰もいなかった。


「座りなさい」


来客用ソファーに座るよう促され、静かに座った。



「生徒たちの間で、櫻井さんと柳先生の写真が流れてしまっているのは知っていますね?」


向かい合うように、校長先生もソファーに座った。


「…はい」


目を合わせられず、俯く。


「生徒たちだけではなく、先生方もその写真を見てしまっています」

ドクン!


…やっぱり。


膝の上で握る拳に、力が入る。



「職員室は騒ぎになってしまっているので、とりあえず櫻井さんを校長室に呼びました」

ドクン、ドクン。


握った拳に、汗が流れるのがわかる。



柳先生と一緒に暮らすことは、校長先生と学年主任、蘭と榊原も知っていた。


もし他の人にバレたら、柳先生はー…





"懲戒免職"



ドクン!



「…っ、あの…柳先生はー…」




今どこにいて…





どう思っているの?





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