恋のかけ引きはいつも甘くて切なくて



学校側が親切にくれた制服は、
私の体型には少し大きすぎたのだ。


前の高校はセーラー服だったけど、
この高校は赤いリボンに紺のブレザー。
短めのチェック柄のスカートで
とにかく可愛い。

都会臭を漂わせている。




なのに…



「可愛い制服なのに、
ひよりが着るとどうも子供っぽく
見えちゃうのよねぇ。」


「うん。本人が1番自覚してる…。」



お母さんの言葉に同感。
我ながら似合わなさすぎて
泣けてくる。



「やっぱり行くのやめようかなぁ〜…。」

「なーに言ってんのー。
ほら、早く準備しないと
未玖ちゃんが来ちゃ…」


ーピンポーンー




「あ‼︎ほら来たわよ‼︎
はーい‼︎」




慌てて玄関に走るお母さんの後に
続くように、私も鞄を持って
玄関へと急いだ。
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