恋のかけ引きはいつも甘くて切なくて




「学校まではね、家の前の
バス停からバスに乗って
3つ先のバス停で降りるんだよー♪」



未玖ちゃんはそう言うと、
マンションを出てすぐの
バス停を指差す。



「バス停近いと便利だね〜。
はぁ…なんか緊張してきたぁ。」

「大丈夫、大丈夫♪
みんな優しくていい人ばっかりだよ‼︎」



私が不安そうにため息をつくと、
未玖ちゃんが私の背中を
優しく叩いた。



「未玖ちゃんと同じクラスなら
いいのになぁ〜…。」

「ねぇー…1ついい⁇」

「ん⁇」



未玖ちゃんの言葉に私は
首をかしげる。




「”未玖ちゃん”って、
ちゃん付けにするのやめないー⁇
私も”ひよりちゃん”じゃなくて、
ひよりって呼んだら駄目かな⁇」


「あのっ、その…
うん。じゃあ…未玖って呼ぶね⁇」


「うん‼︎ひよりっ♪」



私がそう言うと、
未玖は嬉しそうに
ニコッと笑った。
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