恋のかけ引きはいつも甘くて切なくて
「こっちが1、2年生の校舎で〜
少し離れたとこにあるあの建物が
3年の教室。体育館はあの
渡り廊下の先で、職員室はここね♪」
未玖は学校の建物を、
1つ1つ指をさしながら
説明していくと、《職員室》と
書かれたドアの前で立ち止まった。
ーガラッー
「失礼しまーす。
上野先生〜⁇」
未玖が職員室のドアを開けて、
ある1人の先生に声をかける。
「んー⁇なんだー⁇
どうかしたか⁇」
「今日から転校して来た
ひより♪クラスって
どうなるの⁇」
未玖が声をかけた先生は、
少し若めの男の先生だった。
って…都会は先生の
クオリティまで高いの⁉︎
い、イケメンすぎるっ…。
「お。君が桜井さん⁇
待ってたよ。」
先生はそう言うと、
私の目をじーっと見ながら
少し微笑んだ。
「え⁉︎あ、えっと…
桜井ひよりです。
よろしくお願いします…。」
私は小さな声でそう言うと
ぱっと頭を下げた。
「ひより〜上野先生には
もっとこう、フレンドリーに
接していいんだよ〜(笑)」
「おいこら。アホか(笑)
俺は未玖の担任の
上野 拓真(うえの たくま)だ。
んでもって、今日から
桜井さんの担任。よろしくね。」
「へっ⁇私の担任⁇」
「本当⁉︎じゃあ、
あたしとひより同じクラス⁉︎
最高〜‼︎良かったねっひより‼︎♪」
未玖はそう言うと、
ぴょんぴょんと跳ねて
嬉しそうにしていた。
「この時期の引っ越しなんて
本当に大変だろうし、慣れない事も
多いとは思うが無理せずに
ゆっくり慣れていけばいいさ。
短い間だが、1年間よろしくな。」
そう言うと、先生は
左手を私に差し出した。
「はいっ♪よろしくお願いします。」
私もその手を笑顔で軽く握った。