恋のかけ引きはいつも甘くて切なくて


なっっ…⁉︎
なんで、どうして⁉︎
朝はあんなに優しくて
いい人だったのに…。


朝とは全く違う態度に、
私は酷く困惑した。












ーキーンコーンカーンコーンー


それから少しして、校内に
ホームルーム終了の鐘が鳴り響く。


「じゃ、授業遅れるなよー。
終わり〜。」


「起立、姿勢、礼。」

「「ありがとうございました〜。」」




クラス委員長のかけ声が
かかると、みんな一斉に
席を立って動き出す。





隣の席を見ると、
高崎くんも教室から
出ようとしていた。



朝の事…
ちゃんとお礼言わなきゃ…。





「あ、あ、あのっ…‼︎」


私は勇気を振り絞り、
教室から出ようとしていた
高崎くんを呼び止めた。





「…。」

すると高崎くんは、
立ち止まって私の方を振り返った。



「朝は…ありがとう。
ちゃんとお礼言えてなかったから…。」



高崎くんの顔色を伺いながら
小さく呟いた。
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