恋のかけ引きはいつも甘くて切なくて
episode3…双子
「ちょっと待ちなさいよっ‼︎」
言われっぱなしで腹が立った私は、
教室から出て行く高崎くんを呼び止めた。
「はぁ…。んだよ。」
高崎くんはため息をつくと、
めんどくさそうに私を睨む。
「ひよこじゃないもん‼︎」
「はぁ⁇お前、鏡見た事ある⁇
俺には、ひよこにしか見えないんだけど。」
私が言い返すと、
すぐに言い返してきた。
こいつ〜‼︎
二重人格なわけ⁉︎
「こっちはお礼を
言いたかっただけなのにっ‼︎」
「だぁーかーら。
お礼もなにも。お前なんか
知らねぇって言ってんの。
ちび。いい加減にしねーと…」
「紫音⁇」
「‼︎」
その時。
割り込むかのように
誰かの声がした。