恋のかけ引きはいつも甘くて切なくて
「なになに〜⁇
凛音とひよりって知り合いかなにか⁇」
私の背後から面白そうに
未玖が顔を覗かす。
「知り合いっていうか、
今朝バスが一緒だった♪
未玖の友達だったんだな♪」
もう1人の高崎くんと、
未玖は友達ならしく
親しそうに会話をしていた。
「そういえば、紫音が
なんかした⁇
言い合ってたみたいだけど。」
「えっっ⁇」
もう1人の高崎くんは
そう言うと、高崎くんを指差した。
あ…
完全に忘れてた。
私の人違いだったんだ…。
「別に。このちっこいひよこが
つっかかってくんの。」
「ちょっっ‼︎そんなつもりじゃ…‼︎
朝助けてくれたのがこっちの
高崎くんかと思って…
だからお礼を言いたくて…。
人違いしてごめんなさい…。」
私は申し訳なさそうに
高崎くんに頭を下げた。