For*You
来月はいよいよ半年記念だ。
颯姫のために……
オレが何かしてあげたい。
出来ればこれからもずっと記憶に残ってくれるような……そんな“何か”を……
*
「って!!
ことなんだけど、陽斗!
どうしたらいいと思うっ!」
「……結局他人に頼るのかよ。
あんなに自分で考えるってグズってたくせにー」
「なぁ!
陽斗は他人じゃなくて親友だ!
あとグズってねー、オレは!」
「……そういうことじゃなくて。
今もその姿、グズってるようにしか見えないけどなー?
ちっさいし。何よりちーさいから」
「陽斗てっめー!
オレは望んでちっさい訳じゃないんだー!」
身長180センチのイケメンをポカポカ殴る168センチの姿こそ滑稽だと把握出来るほどオレは優秀に育たなかった。
その180センチのイケメンこそオレの大親友、小南陽斗。
一年の時、出席が近いと言うことで仲良くなり今に至る。
「それより!
半年記念どーするか!」
「幸せそーでなにより」
「あのなぁー……」
大して興味の無さそうな整った横顔に恨めしげな視線を投げ飛ばすもそれは肩に当たって落下。
いつ見ても羨ましいくらいの整った顔立ちと身長。
「てか陽斗も彼女探したら?
すぐできるだろーし」
「あー?
今は面倒だしいらねーわ。
オチビちゃんのフォローで精一杯ってとこだし」
涼しく笑って爽やかに貶してくる陽斗。
「ったくぅー!
チビチビってオレを馬鹿にしやがってぇ……!」
「愛故ってやつだな、うんうん」
「宏、小南くんおはよー!
相変わらず仲良すぎてカップルかと思ったよー」
「さっ、颯姫!!」
「おはよ、姫さん」
なんと背後から颯姫が駆けて来たらしくオレの背中にトンとぶつかってきた。