【完】『空を翔べないカナリアは』
崚の逮捕はたちどころに美姫の知るところとなり、
「…別れてよかったかも」
と、すんでで猥褻犯の恋人にならずに済んだといえる。
いっぽう。
当の美優は捕まれた左の手首を傷めたので、軽いテーピングをしながら通学する羽目になった。
それでも。
倒れたはずみで自転車が激しく壊れてしまったので、
「いいよ、うちが送り迎えしたるから」
と、貴慶がタンデムで送り迎えをすることになった。