【完】『空を翔べないカナリアは』

ほどなく。

美優の高校が見えてくる。

「このままどこか行きたい」

美優は学校に行きたくない様子であった。

「あのな美優、高校だけはきちんと出とけ」

「だってぇ…」

「うちのオカン、中卒やったばっかりに、とうとうしまいまで給料低かってね」

「…分かった」

美優はブスッとふくれて、ヘルメットを乱暴に貴慶に渡した。

「美優!」

貴慶が呼び止めた。



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