【完】『空を翔べないカナリアは』

こうした美優のリクエストを叶えるツーリングは、いつしか月曜日の夜の恒例となった。

行く場所はまちまちで、浮島の埠頭もあれば、美優の希望で眺めの良い公園に行くこともある。

この送り迎えが、二人のいわばミニサイズのデートにもなった。

しばらくして。

新品の自転車をリサが買ったので、美優はまた自転車での通学に戻った。

それでも。

美優は月曜日の夜になると、鶴見ベースに寄り道して貴慶に逢ってから帰るのが習慣となった。



< 116 / 275 >

この作品をシェア

pagetop