【完】『空を翔べないカナリアは』

せやから、と貴慶は、

「千尋は何も悪くないし、何の落ち度もないけど、でもオトンの跡を嗣ぐのは千尋と、どんな法律家でも同じ答えしか返って来んし、そら宿命やからしゃーない」

一呼吸ついてから、

「千尋、運が悪かったと思って諦めぇ」

貴慶は言い切った。

美優は、黙って聞いているより他なかった。



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