【完】『空を翔べないカナリアは』

夕方。

美優はいつものチェックのミニスカートにブラウス、ベージュのカーディガンに着替えてから早めの夕餉(ゆうげ)をとり、自転車でアパートを出た。

灯ともし頃の潮見橋を渡って、京急の鶴見駅からは電車である。

が。

時間がなかったのか、慌てて停めようとしたからか、鞄の中身を舗道にぶちまけてしまった。



< 13 / 275 >

この作品をシェア

pagetop