【完】『空を翔べないカナリアは』
意外と美優の胸が豊かな膨らみであることもこのとき気づいたし、美優も貴慶が場数をこなしていることに気づいた。
「身体の相性が合ってた」
という美優の言葉は、あながち誇張ではない。
強引に押し倒すこともなければ、避妊をしないということもない。
貴慶はベッドでも美優には優しかった。
それまで、何となく美優も経験はあるものの、同じ箇所だけを責められたり、少なくとも美優の立場に立って行為をする男がほとんどなかったところから、
「男ってさ、要はヤりたいだけなんでしょ?」
という冷ややかな目も美優は持っていた。