【完】『空を翔べないカナリアは』
〔4〕
美優が語り始めたのは、
「あたしが金髪のギャルになったワケだけど」
と言い、
「あたし、高校に入る前に今の色にしたんだ」
と言った。
「それまでは実は美姫と同じ黒い髪で、ストレートだった」
それが変わったいちばんのきっかけは、
「当時すごく好きな先輩がいて、その先輩とデートして、寝て」
ところが美優と寝たあとは急に先輩が豹変し、美優の都合なんぞお構いなしに、美優を呼び出しては性交を求めたのである。
「無理やりな日もあったし、ゴムなしで中に出された日もあった」
しかし美優は、その先輩を嫌いになれなかったらしく、
「だからしばらく続いたんだ」
と言った。