【完】『空を翔べないカナリアは』
「…あたし、何言ってるんだろ」
「特に変わりはないけど」
「それは貴慶が優しいからだよ」
「さよか?」
公園を見つけると、美優はベンチに腰を下ろした。
「…ね?」
「?」
「あたしなんかで、ホントにいいの?」
「何で?」
「こんなさ、遊ばれて子供産めなくなったバカなギャルなんかより、もっと貴慶にはいい子がいるような気がするときがあるんだ」
美優のトラウマは、かなり深いように貴慶には映った。