【完】『空を翔べないカナリアは』
〔6〕
美優と貴慶が鶴見に戻る頃には、やはり放火ではないか…と捜査をしていた警官からの説明があった。
貴慶が鶴見ベースに戻ると、内部が全焼している。
バイクも丸焦げで、
「こら仕事にもならんけど、寝泊まりもあかんな」
リサのスナックに行くと、
「いったい誰が火つけたんだろうねー」
と、貴慶の火の始末を知るリサや寿司屋の大将なんぞは、放火しか疑っていなかった。
「で、寝る場所は?」
「当座はホテル暮らしかなと」
「だったらうちに泊まりなさい」
リサが言った。