【完】『空を翔べないカナリアは』

ともあれ。

貴慶が見たお陰で、美優は初めて七月じゅうに宿題を終わらせることができた。

「ね、海行こ」

宿題が片付くと、美優と貴慶は休みに三浦まで海水浴へ出掛けた。

しかし。

「うち水着ないで」

貴慶は泳げなかった。

ちなみに美優は少しだけ泳げる。

「でもあんまり泳いだことないかも…」

美優が実はビキニが苦手なのも、仄聞で初めてであった。



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