【完】『空を翔べないカナリアは』

こうして鶴見へ戻ると、玄関で一匹の茶虎の猫が美優を迎えに出る。

「又三郎、ただいまー」

と美優は茶虎の又三郎を抱き上げた。

美優がまだギャルになる前から飼っているらしく、

「毛の色お揃い」

などと美優はたまにおどけたりもする。

こういう面も、暮らしてみなければ分からないところではあった。



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