【完】『空を翔べないカナリアは』
しばらくして。
美優の誕生日が近くなって、貴慶は何かプレゼントを探そうと、パソコンでリサーチをかけていた。
それに気づいた美優は、
「今年はプレゼントいらないよ」
と言った。
「だって去年のリュックも気に入って使ってるし、今は貴慶がそばにいるし」
だから大丈夫、と美優は貴慶を背中から抱き締めた。
「でもなぁ、せっかくの美優のバースデーやのに、なんもせぇへんのは…」
「だったら、一緒に旅行行きたい」
「こないだは温泉やったから、次はディズニーとかか?」
「うぅん」
美優は首を横に振った。