【完】『空を翔べないカナリアは』
だんだん思い出してきたらしく、
「ほんでうちに例の西陣のオトンが来たとき、うちが大事にしてたミニカーをゴミにほかして、そしたらうちがめっちゃ怒ったらしくて、オトンの股ぐらに頭突き食らわして」
美優はイメージが浮かんだのか吹き出してしまった。
「それ超ウケる」
「そしたらオトンに殴られて、そのあたりからオトンにはなつかんくなったらしい」
それでしばらくオカンの兄弟がいた小樽に預けられていた時期もあったらしかった。