【完】『空を翔べないカナリアは』
でもね、と美優は、
「あたしたち、もう一年以上付き合ってるじゃん」
「うん」
「やっと最近になってなくなってきたけど、まだ貴慶には殻があるような気がしてて」
「そうかなぁ」
「あたしで出来ることがあったら、言って欲しいの」
「了解」
「あたし…貴慶のためなら何でも出来そうな気がするから」
「そんなん、うちかて美優のためなら」
「貴慶はもう充分やってるじゃん」
かぶせ気味に美優は言った。