【完】『空を翔べないカナリアは』

「…だったらさ、いっそのこと結婚しちゃうってのはどう?」

「えっ…」

美優も貴慶も一瞬よく分からずに、顔を互いに見合わせた。

「いや、大々的に挙式とかするんじゃなくて、例えば籍だけ入れちゃうとか、あとは事実婚みたいに同棲しちゃうとか」

「はぁ」

貴慶は唖然とした。

「美姫らしいなぁ、発想が」

美優はいつもの冗談のつもりなのか、笑って流している。



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