【完】『空を翔べないカナリアは』
美姫が札幌へ戻って美優の三学期が始まると、
「もうJKじゃいられなくなるのかー」
などと、珍しく美優はしんみりすることもあった。
「ギャルは続けてゆくんやろ?」
貴慶は何気なく言った。
「でもさ、バイク便の小さな会社とはいえ、社長がギャルの彼女連れてるって、どうなのかなぁ」
美優の不安をよそに、
「それはそれで、何か楽しいんとちゃうかな」
貴慶は変わらず、楽観的な面があった。