【完】『空を翔べないカナリアは』

〔4〕


二度目のバレンタインが近い。

チョコが苦手な貴慶のために、美優はクリームチーズでケーキを作った。

「このぐらい貴慶ならイケるかも」

と作ったのはだいたい九号サイズである。

「そんな大きなケーキ、大丈夫なの?」

心配するリサをよそに、美優は巨大チーズケーキを冷やし固めて完成させてみせた。

「問題は味見だけかなー」

「そこ大事でしょ」

すかさずリサに突っ込まれた。



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