【完】『空を翔べないカナリアは』
当日。
巨大チーズケーキを見た貴慶は、
「えらいのこさえたなー」
といいながらも、半日かけて半ホール平らげた。
「好きな人につくってもらった好きなものは、無限に入るなぁ」
さらに半ホール食べ切って満足であったのか、
「これで思い残すことないわー」
と思わず口にすると、
「あたしは貴慶がまだまだ生きてもらわないと困る」
と困惑したが、
「意外に健啖やろ」
と貴慶はおどけてみせた。