【完】『空を翔べないカナリアは』
〔5〕
卒業式のあと、どういった仔細かは不明ながら、美優は金髪をナチュラルな茶色に変えた。
「前から決めてたんだ」
とだけ美優は言ったが、それ以上は深くは語ろうとはしなかった。
が。
貴慶はピンとくるものがあったようで、
「一応、美優なりにうちに気を配ってくれたんとちゃうかな」
と言った。
「雰囲気変わったら、何や惚れ直したわ」
とも言い、美優が少しでも髪型を変えたりすると写真を二人で撮ったりもした。