【完】『空を翔べないカナリアは』

休みの日、美優と貴慶は三浦海岸にあったそのログハウスの物件を下見させてもらった。

見ると案外、海が近い。

背後には椿や楠の林もある。

「何よりサーファーが多いんで、居抜きで店をされるならちょうどいいかなと」

そのあとは進められていた逸見の物件も見たが、タッチの差で契約が先に決まってしまっていた。

「じゃあログハウスやね」

仮契約だけして、二人は鶴見へ戻った。



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