【完】『空を翔べないカナリアは』

器にカレーを盛り付けて出すと美優は、

「おいしそう…」

美優もある程度の料理はするが、明らかに上手なのである。

「いただきまーす」

美優はスプーンで一口頬張った。

挽き肉が鶏肉で、下味がしてあることに美優は気づいた。

「おいしい…」

「口に合ってよかった」

ここで貴慶は初めて笑顔になった。

普段はキリッとした目が、笑うと目尻に笑いじわが寄る。



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