【完】『空を翔べないカナリアは』
昼間は魚市場で魚をさばいたり、ときに売り子をしたりとアルバイトをする。
夕方からは高校に通学。
授業が終わると、宿題を学校で片付けてから、自転車で潮見橋を渡って帰る。
帰ると次は家事の手伝いがある。
見た目が派手なので意外なように思われるが、美優は料理と皿洗いを得意とした。
どう見ても邪魔に感じるが、ネイルのついた指で器用に洗い物を終わらせ、就寝はときに夜中の一時近くにもなる。
息抜きはたまに見るサッカーの観戦で、特に決まったチームはサポートしなかったが、何となくぼんやりと見ていても差し障りがないところを好んでいたようであった。