【完】『空を翔べないカナリアは』

ちなみに。

貴慶の洗濯機には乾燥の機能までついており、

「これで終わるまでに雨が止めばえぇんやけど」

貴慶は言った。

むしろ逆に美優は止まないで欲しい、とこのときほど思ったことはなかった。

「どうかなぁ」

美優は窓を開けてみた。

星が見える。

「止んでるよ」

「じゃあ送ってく」

このときほど、星空を恨んだことも美優はなかった。


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