【完】『空を翔べないカナリアは』

それならいいや、と美優は再び穏やかな顔つきになって、

「それでスクランブルの真ん中で立ち回りなんかしちゃってさ」

まるでドラマみたい、と美優の中では早くも笑える思い出に変わっているようであった。

「でも回し蹴りって…何かスポーツやってたのかな?」

「分からないけど、多分してたっぽい」

そこは美優の勘であった。



< 59 / 275 >

この作品をシェア

pagetop