【完】『空を翔べないカナリアは』
その帰路。
「貴慶って友達多いんだね」
「まぁ多いかどうかは分からんけど、少なくはないかなぁ」
フラットに貴慶は答えた。
「あたしなんか美姫ぐらいしか友達いないから、ああいうときどうしたらいいか分かんなくて」
「友達は数じゃないと思うけどなぁ」
美優は繋いでいた手を強く握った。
「あのさ、貴慶…」
「ん?」
「…あたしのこと、どう思う?」
美優にすれば思い切った、勇気を出しての疑問であった。