【完】『空を翔べないカナリアは』

授業が終わった金曜日の夜、美優は帰りに鶴見ベースに寄った。

「美優、どしたん?」

貴慶は相変わらず、どことなく暢気である。

だが。

この貴慶の事物に動じないところが、美優にすれば安心でもあった。

「ね、貴慶」

「?」

「…あたしのこと、好き?」

美優は思い切った訊き方をしてみた。



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