【完】『空を翔べないカナリアは』

しかし。

「あのね、貴慶」

「?」

美優はどうしても訊きたかったことがあったらしい。

「…あたしでいいの?」

「何が?」

「だって…あたし、見ての通りギャルだよ?」

しかも黒ギャルだよ、と美優は言った。

「もし、貴慶が黒ギャルが嫌だって言うなら、あたし髪だって黒くするし、美白になるようにがんばる」

美優は嫌われるのが怖くてたまらなかったらしい。



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