【完】『空を翔べないカナリアは』

〔3〕


斯くして。

美優と貴慶は本格的な、それでいてよくある在り来たりなカップリングとして歩み始めた訳だが、ここで一つ問題が出来した。

美優の母のリサにどう引き合わせるか、である。

というのも。

リサは日本人ではない。

美優は黒ギャルには珍しく日サロで焼いてなかった。

「あたしママに似て、あんまり白くないんだ」

と美優は笑っていたが、しかし貴慶も訊かなかったので、当初は気にも留めてなかったらしい。



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