天神学園の奇妙な案件
「それは、『いつの時代の』会長ですか?」

『何…?』

禿鷲が訝しがる。

「あの人は、この時代から見た未来では、大魔術・時間操作を完全にコントロールして、どんな時代も行き来して、死という概念すら捻じ曲げてしまった…龍一郎さん達が出会った会長が、未来の会長なら…」

大きく輝く光の粒子。

「あの人には誰にも敵わない…」

その言葉と共に、ルカは消えてしまった。

時間操作の限界時間が来て、元の時代へと戻ったのだろう。

『死という概念すら捻じ曲げただと?』

呟く禿鷲。

殺したとしても、時間操作で死ぬ前に戻れば、死んだという事実はなくなる。

時間操作とは、神にも等しい大魔術なのだ。

グリフィノー兄弟を直接倒す事は出来なくとも、そんな力があれば、『グリフィノー兄弟がいた』という事実をなくす事は出来る。

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