天神学園の奇妙な案件
「正確には、私も歴史改変されている自覚はないの。パパに、何かあった時は龍一郎の力になってほしいと言われただけなの。多分、それが今だと思うの」

すずは目の前に立つ。

「何をしたらいいか教えてほしいの。出来る限りの事は協力するの」

「ありがてぇ…！」

龍一郎は思わず、すずの手を摑んだ。

「パンドラの箱の化身って言われてる鈴木さんの娘のすず先生が味方なら、こんな頼もしい事ぁねぇぜ！恩に着る！」

「お、大袈裟なの…」

気恥ずかしくなって、少し目を逸らすすず。

しかし、龍一郎の身になってみれば分かる。

突然過去に放り出されて、たった1人ではなかったとはいえ理解者が殆どいないままで、ここまで何とかしなければならない、だがどうしていいか分からないという状況を乗り越えてきた。

そして、ようやく名乗り出てくれた協力者。

龍一郎なりに、不安を抱え込んでいたのだろう。

その不安が払拭され、喜びを露わにしている。

…そんな龍一郎を、何故だか愛しいとさえ思う…。

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