天神学園の奇妙な案件
「はぁ?」

ルナはクスッと笑う。

「だって好きなんでしょ?私の事」

「……」

「言ってたじゃない、一目惚れだって。だからキスしてあげようと思っただけよ。何が不満?」

「……」

傷ついた顔をして、また俯くと思っていた。

もしかしたら泣きべそをかいてしまうかと思っていた。

だって、蛮は私よりも弱くて未熟者のヴァンパイアハンターだから。

そう思っていたルナの前で。

「……!」

蛮は歯噛みした。

ギリ、と。

歯を軋る音が聞こえる。

強い意思を込めた眼差しで、ルナを睨む。

「だったら嫌いだ」

蛮はまたも言い放つ。

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