天神学園の奇妙な案件
その、2人がいる渡り廊下から見える学園の校門。

「……!」

すずが何かに気付いたように、身を乗り出す。

「どした?」

「龍一郎、バルトメロイがいるの」

「あぁ?」

すずが気付かれぬように、視線で校門の方を指す。

…確かにいる。

白髪に白い髭を蓄えた、彫りの深い顏の老紳士。

「よく見えるな、すず先生。流石悪魔の血を引くだけあるわ」

身体能力的には只の人間である龍一郎には、誰かが立っている程度にしか見えない。

「間違いないの。あの顔はよく覚えているの」

すずは警戒するように、バルトメロイの方を凝視する。

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